アルカリ蓄電池のしくみや、特徴(長所、短所)についてご紹介します。

アルカリ蓄電池の構造

アルカリ蓄電池は、電解液にアルカリ溶液を用いている蓄電池の総称です。電解液には主に水酸化カリウムが使われています。
正極(陽極)と負極(陰極)に使われる素材によって、蓄電池の名前が異なります。

例えば、正極に水酸化ニッケル、負極に水酸化カドミウムを使用した蓄電池は、「ニッケル-カドミウム蓄電池」。
また、正極に水酸化ニッケル、負極に水素吸蔵合金を使用した蓄電池を「ニッケル-水素充電池」。
正極に水酸化ニッケル、負極に鉄を使用した蓄電池を「ニッケル-鉄蓄電池」。
正極に銀、負極にカドミウムを使用した蓄電池を「銀-カドミウム蓄電池」といいます。

アルカリ蓄電池の中で一番多く使用されいているのが、ニッケル-カドミウム蓄電池です。
ニッケル-カドミウム蓄電池は、カドミウムが有害で廃棄時に環境に影響を与える問題があること、また、メモリー効果が顕著なことから、替わりにニッケル-水素充電池が広く使用されるようになりました。
しかし、生産コストや取扱いのノウハウの豊富さとその性能の良さから、ニッケル-カドミウム蓄電池の需要は多く、様々な製品・設備に使われています。

ニッケル-カドミウム蓄電池の特徴

長所

  • 内部抵抗が小さい。
  • 大電流の放電が可能。
  • 電圧がゼロになるほど放電しても(過放電)、所定の回復充電を行う事で容量が回復する。
  • 低温環境での電圧降下が少ない(0℃から20℃の範囲でも使用が可能)。
  • 自然放電がニッケル-水素充電池より少ない。

短所

  • ニッケル-水素充電池に比べ電力容量が少ない(同サイズで比較)。
  • メモリー効果が顕著にあらわれる。
  • カドミウムが有害であり、廃棄時に環境負荷となる(このため、使用済み電池は回収が行われている)。
  • サーマルランナウェイ(熱暴走)を起こしやすい。

ニッケル-水素充電池の特徴

長所

  • 内部抵抗が小さく、大電流放電が可能。
  • 低温環境でも電圧降下が少ない
  • ニッケル-カドミウム蓄電池よりも容量密度が高い。
  • ニッケル-カドミウム蓄電池よりもメモリー効果が少ない。
  • 有害物質であるカドミウムを含まない。

短所

  • ニッケル-カドミウム蓄電池と比べ過放電に弱く、完全放電すると電池が劣化し容量が低下する。
  • 自己放電が大きい。

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